議会報告

HOME > 議会報告 > ひどすぎる!・・・三井グランド宅地化計画 「地区計画案」を強行採決

ひどすぎる!・・・三井グランド宅地化計画 「地区計画案」を強行採決

 11月30日、杉並区の都市計画審議会が開かれ、高井戸東1丁目地区の地区計画案について審議が行われました。
 審議のなかで、各委員から「区は有効避難面積を1人一、一㎡確保するといっているが、その根拠が示されていない。前回、資料も要求したのにそれも出ていないのでは検証できない」「クラブハウスは杉並の面影を残す第一級の建物であり、保存すべき。区の姿勢は消極的だ」などの意見が出されました。

地区計画は再検討を!

 日本共産党の山崎一彦委員は「条例と今回の法に基づく区民意見は反対が圧倒的で、その重みを重く受け止めるべきだ。住民参画をとなえているまちづくり基本方針の精神をいかし、白紙に戻すことも含め再検討すべき」と主張。続けて「三井に『駐車場はどこになるのか』と電話で問い合わせたが、『地下か地上か未定』と答えた。なのに、どうして区は有効避難面積一、一㎡と算出できるのか」と質しました。区側は明確な答弁ができませんでした。

生かされない住民の声

 その後、会長が質疑を打ち切り、採決することを表明。これをめぐって「有効避難面積の正確な根拠も資料も出ないなか結論を出すのはおかしい」「クラブハウスの保存について、日本建築学会が区長に要望を出すまで待ってほしい」「今日どうしても決定しなければならない必然性があるのか」などの声があがり紛糾しました。山崎委員も「継続審議を」と主張。採決の結果、8対8の同数となりましたが「今日結論を出したい」という会長の決裁で採決が強行され、賛成12票、反対5票、白票1票で、地区計画案は採択されました。
 審議を傍聴していた区民から「これだけ多くの反対が出ているのに採択とは信じられない」「住民不在の暴挙だ」など、怒りの声があがりました。


高井戸東1丁目地区計画とこれまでの経過

 04年、三井不動産は、三井グランドを05年9月に閉鎖し、700戸(6階建てのマンションと戸建て)の大規模住宅を建設する計画を発表。グランドは震災時の広域避難場所にも指定されており、周辺住民からは「貴重なみどりと避難場所をまもれ」と声があがりました。しかし、杉並区は、三井の計画に応える形で用途地域、容積・建ぺい率を緩和する地区計画を提案。これまで、区の条例と都市計画法にもとづく二回の区民意見の提出が行われましたが、どちらも地区計画案に反対する意見が多数を占めました。


 日本共産党は、議会でいち早くこの問題を取り上げ、再三にわたり三井いいなりの区の姿勢を批判、住民参画ですすめるよう主張してきました。また吉田信夫都議とともに、東京都にも「三井に対し避難場所を確保するよう指導せよ」と申し入れも行うなど、グランド存続のために住民のみなさんと運動を進めてきました。多くの住民の声を無視し、一企業の利益を優遇するような区の姿勢は許せません。引き続き、みなさんと力をあわせ、区民の声がいきるまちづくりを進めるために全力をあげます。


1)住環境の大きな変化
 人口増加にともない車や自転車の事故が懸念されます。学童数の増加が予想され、現在の小中学校では収容できなくなる可能性も。
2)貴重なみどりとオープンスペースがなくなる。
 記念樹や小動物、昆虫等が生息する宝庫です。クラブハウスは都の記念建築物に指定されています。
3)広域避難場所が大幅に縮小
 阪神淡路に続く新潟での地震、東京でも震度6を経験したばかり、近い内に必ず直下型地震が襲うと予想されている。震災時に一時避難するだけでなく、一定期間仮設トイレや仮設テント、仮設住宅等の設置可能な空き地を確保しておくことが大切です。