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06年 第一回定例会一般質問(1)介護保険について

2月21日、本会議場

 日本共産党杉並区議団を代表して、介護保険と障害者自立支援法について質問します。最初に介護保険について質問します。 
 小泉内閣は高齢化の進行によって、医療や介護の給付費が増大し、国や大企業が負担するお金が増えては大変といって「自律自助」を強調し、相次いで社会保障の改悪を行っています。昨年改定された介護保険法が、4月からいよいよ全面となります。すでに、昨年10月から施設入所者に対するホテルコストや通所介護サービスの食事代の徴収などが先行して実施されていますが、これに加えて、保険料の大幅値上げ、軽度者へのサービス切り捨てなど、国民に大幅な負担増を強いる内容となっています。高齢者や家族の負担を軽減し、支援していく区の姿勢が求められます。
 以下、大きく4項目にわたって質問します。
 一項目は「新予防給付」についてです。
 新しい要介護認定では、現在要支援の人は要支援1に変わります。また、要介護1の人は、心身の状態が安定しない人、認知症のために介護予防の取り組みの意義が理解できないと思われる人をのぞいて、要介護2と判定されることになります。国は、「新予防給付」は「軽度の要介護者に対するサービスをより本人の自立支援に資するよう改善する」といっていますが、軽度者のサービスを切り下げ、介護給付費を削減するねらいがあることはあきらかです。現在の要介護1の人の7割から8割、人数にして、全国で150万人以上が要支援2に移行される見込みですが、杉並で、現行の要介護1から要支援2に移行する人はどのくらい見込まれるのでしょうか。
 要支援1と2の人は、これまでのサービスは受けられず、あらたに創設された「新予防給付」のサービスを受けることになります。ケアプランについては、地域包括支援センターで作成されることになりますが、開設が4月1日からとなるため、3月中は一定の条件を満たす居宅介護支援事業者が行うとされています。しかし、新予防給付のケアプラン作成は、報酬も低く受けてくれる事業者がどの程度あるか、円滑なケアプラン作成がされるのか、関係者からは不安の声が出ています。杉並で、3月中にケアプランを作成しなければならない対象者は何人でしょうか。小規模な事業所は、新予防給付に対応するコンピュータソフトの費用負担も大変だということです。区として事業者へのなんらかの援助が必要と考えますがいかがでしょうか。
 新予防給付のサービス内容については、現行のサービスに対応したメニューが用意されていますが、サービス提供事業者はどのくらいそろったのでしょうか。
 また、新予防給付サービスにも、介護予防訪問介護はありますが、期間や提供方法が制限されるため、現在受けている家事援助サービスが受けられなくなるのではないか、と心配する声が出ています。必要な人には、きちんと家事援助サービスが給付されるようにすべきですがいかがでしょうか。
 このようにさまざまなことが懸念されている状況で、4月1日から、本当に円滑にスタートできるのか、介護難民がでないのか、現場のケアマネージャーや事業者は大変心配しています。区民に不利益がでないよう、当面は従来通りのサービスが受けられるような経過措置も考慮する必要があると考えますが、区の見解を求めます。
 二項目に、介護給付の削減についてお聞きします。
 「予防重視」の名による介護サービスの取り上げが心配されていますが、現場ではすでに「適正化」の名による給付削減が始まっています。厚労省は「介護給付費適正化推進運動」と称して、自治体に「介護給付費の1%削減」を迫っています。これを受けて杉並区でもサービス給付抑制の動きが強められています。先日、要介護5の女性を介護している家族からこんな話が寄せられました。女性はデイサービスを週2回と訪問介護を週3回利用してます。訪問介護は1回につき、それぞれ4時間、4時間、3時間利用していますが、昨年秋頃、1回4時間のところを2時間に短縮してほしいとケアマネージャーから連絡がきました。家族が理由をきいてみると、区から指示があったとのことです。「2時間ではヘルパーさんがお風呂を入れるにも時間がたりない」とケアマネージャーに伝え、区と交渉してもらいましたが、区の回答は「3時間でどうか」というものでした。「3時間でも足りない、なんとしても4時間は必要」と再度ケアマネージャーに区と交渉してもらったのですが、「それではあとの1時間は保険外の自費でどうか」といわれたそうです。家族は「本当に必要なサービスであり、しかも利用できる限度枠があるのに、なぜ保険が使えず自費になるのか、納得できない」と怒りをあらわにしていました。このほかにも、家族がいる場合は、たとえ日中独居でも生活援助は認められないといわれた、など、不満と怒りの声が、利用者や家族、さらにはケアマネジャー、ヘルパーから私たちに寄せられています。区では、訪問介護利用に際して、利用を制限するガイドラインがあるのでしょうか。お答えください。
 そもそも介護保険制度は、「介護の社会化」といって、家族を介護から解放するために始まったものではないのですか。こうした給付制限の動きは、その理念に逆行するものですが、区の見解を問うものです。「適正化」と称して、必要な人に対するサービスを一律に削るようなことは、ただちにやめるべきですが、明確な答弁を求めます。
 三項目に、保険料についてお聞きします。
 今回の改定で、65才以上の介護保険料段階の設定方法が改められ、杉並区では現行の5段階を7段階の設定にする案が示されました。段階を細分化したことは、負担能力に応じたものに改めるもので積極的なことですが、問題は保険料です。現在の基準額3000円が4200円へと一気に1200円も引き上がります。そもそも介護保険料が高いのは、制度が始まったときに、国がそれまで50%負担していた介護の費用を25%に引き下げたためで、国の責任は重大です。国に対し、国庫負担の割合を50%に引き上げることを求めるとともに、区としても、少しでも値上げを抑える努力が必要ですがいかがでしょうか。
 小泉内閣による大増税は、介護保険料にも大きな影響を与えます。政府は、「平成16年度税制改正」で公的年金等控除の縮小と老年者控除の廃止を決め、「平成17年度税制改正」では、非課税限度額の廃止と定率減税の半減を決定しました。2006年度、高齢者の住民税はこの4つの改悪が同時に行われることになります。その結果、非課税となる年金収入額は、単身者の場合、現在は266万円のところが155万円に下がります。夫婦の場合でも現在は266万円ですが、212万円にまで下がります。このことにより、たとえば年金を260万円受給している高齢者の場合、現在は1円も住民税を納めていませんが、この改悪によって、単身者なら年間5万円、夫婦世帯なら約3万円の住民税が課税されることになります。しかも、増税の痛みはそれにとどまらず、非課税から課税になることによって、国保料をはじめとした医療・介護・福祉などの社会保障の負担増が雪だるま式にふくらみます。介護保険料でも、これまで第2段階や第3段階の人が、より高い保険料段階に移行することになります。杉並区の場合でみてみると、現在第2段階2250円の人が、新第4段階に移った場合4200円になり、1950円の引き上げとなります。新第5段階に移った場合は、5250円、なんと3000円の引き上げになってしまいます。そこでうかがいますが、この改悪の影響で、非課税から課税になる人が、杉並では何人になるでしょうか。こうした深刻な事態に対し、さすがに国も介護保険料において2年間の激変緩和措置をとるよう各自治体に通知し、杉並区もその措置をとることが示されました。しかし、「平成17年度税制改正」による影響だけを対象にしたものであるうえ、2年間だけの経過措置であり、抜本的な対策とはいえません。国の考え方を越えた区独自のきめ細かい減免策を講じるべきと考えますが区の見解を求めます。
 四項目、通所介護サービスの食事代補助についてうかがいます。
 昨年10月からデイサービスやデイケアなど通所介護サービスの食事代は、食事提供加算がなくなったため、全額利用者負担となりました。それまでは、多くの利用者は自己負担は400円程度でしたが、700円から800円程度に引き上げられました。食費については、保険料段階による軽減措置がないため、低所得者にとっては大変重い負担となっています。ケアマネージャーや事業者は「一食700円もかかるならコンビニ弁当を持参したい」という声があがるのではないか、と頭を痛めています。内容にいくらかの違いはありますが、低所得者に対する食事代の補助を始めている自治体は広がってきています。食事代の負担が重いために通所介護サービスの利用回数を減らすことがないように、食費に対する区独自の軽減策を求めますがいかがでしょうか。