阿佐谷北１丁目にある杉並第一小学校の複合化計画（※）の大前提を揺るがす新事実が明らかになりました。複合化した後、災害時に児童の避難場所と想定していた学校隣接の屋敷林（写真）の用地に、近隣の病院が移転してくるというのです。

　区が進める杉一小複合化に伴う屋上校庭案は、地上校庭とは異なるため、防災空地に成りえません。そのため、区は、屋上校庭案を採用する際、災害時の避難場所確保のために、隣接する屋敷林の用地を活用するので、児童の安全に支障はないとしていました。
　しかし、明らかとなった新事実は、これまでの区の言い分を根底から覆すものであり、屋上校庭に代わる防災空地を喪失する事態となっています。

　屋上校庭に代わる防災空地を確保できず、児童の安全性を担保できなくなったことは重大です。これまでの計画の大前提が崩れるものであり、複合化計画をこのまま進めることは問題です。
　計画はいったん凍結し、地域住民の意見を聞く機会を設け、地域的な議論を尽くすことが必要です。また、防災拠点としての学校のあり方を再検討すべきです。

※杉一小複合化計画　
　区内で最も狭い杉一小に、産業商工会館と阿佐谷地域区民センターを統廃合する計画。
　新校舎は、3つの施設機能を詰め込むために大規模化せざるを得ず、屋上に校庭を持ってくるプランとなっている。
　災害時、震災救援所として役割を果たす小学校から地上校庭が無くなることは、地域の防災機能を弱めることにつながるため、地域では不安の声が上がっている。