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けやき屋敷のみどりと絶滅危惧種ツミを守れ阿佐ヶ谷駅北東地区土地区画整理事業で区に申し入れ


都市整備部長に申し入れ文を手渡しました

 8月21日、日本共産党区議団は、阿佐ヶ谷駅北東地区土地区画整理事業の認可をしないよう区に申し入れを行いました。
 
 この区画整理事業によって区が進めようとする阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりは、貴重な保護樹林の大量伐採、土壌汚染の可能性が高い病院跡地への杉並第一小学校の移転と跡地を民間に提供し高層ビル整備をはかるなど、区民にとって重大な計画です。
 また、都が保護上重要な野生動物として「レッドリスト」に指定している猛禽類ツミが計画地に生息し、「営巣中心域」であることも明らかになりました。環境省の「猛禽類保護の進め方」では、樹林の伐採は許されません。ツミの「営巣中心域」である事実を把握しないまま進めた区画整理事業計画は再検討すべきです。

杉並区内で撮影されたツミ

 党区議団は、明確な答弁も区民への説明もなく、阿佐ヶ谷駅北東地区土地区画整理事業の認可を進めることは許されないとして、事業を認可しないよう強く求めました。

 日本共産党区議団の質問で、杉並区がすすめる阿佐ヶ谷駅北東地区の開発区域に猛禽類のツミが生息していることが明らかになり、最近では神明宮に巣があることもわかりました。ツミは絶滅危惧種に指定されており、区は、開発計画の根底からの再検討が求められています。国と都がどのような保護策を求めているのか紹介します。
〇「東京都レッドリスト」では
 ツミは「絶滅危惧ⅠA」に指定され、「ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの」と記載されています。
〇環境省「猛禽類保護の進め方」では
 「営巣中心域 この区域の改変や立ち入りは、繁殖の失敗や繁殖地の放棄につながるおそれがある。この区域においては、住宅、工場、鉄塔等の建造物、道路の建設、森林の開発は避ける必要がある」
〇東京都「開発許可の手引き」では
「オオタカ以外の希少な猛禽類についても、オオタカの扱いに準じる」
「行為地が樹林地である場合、…現存樹木の樹高以上の幅の残留緑地を残すこと」
「建築物や擁壁等の工作物は、高木植栽やツタ等により可能なかぎり隠ぺいすること」
〇「ツミ」とは 「レッドデータブック東京2013」より
 タカ目、タカ科 体長雄27cm、雌30cm。雄成鳥は頭部からの上面が暗青灰色で体下面は白、胸から脇は淡燈色。平地や丘陵地、山地などの樹林や河畔林に生息するが、個体数は少ない。最近は市街地の公園などの樹林でも営巣することがある。