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2019年第1回定例会 一般質問(国民健康保険について、荻窪北児童館廃止後の対応について)全文

 日本共産党杉並区議団を代表して、国民健康保険について、荻窪北児童館廃止後の対応について、質問します。

●まず国民健康保険について質問します。
 
 全国で、高すぎる国民健康保険料に住民から悲鳴が上がっています。滞納世帯は289万、全加入世帯の15%を超えています。無保険になったり、正規の保険証を取り上げられるなど、生活の困窮で医療機関の受診が遅れたために死亡するという深刻な事態も起こっています。
 区長は、予算編成方針で、区政の第1の課題として「区民の暮らしの安全と安心の向上」を繰り返し強調しました。区民のくらしの安心という点で最大の課題は、家計に重い負担となっている国民健康保険料負担をどう軽減するかということではないでしょうか。しかし、区長の発言には、国保料の現状への言及はまったくありませんでした。区長として区民生活を守る姿勢があるのか、問われるものです。
 まず、私が質したいことは、国民健康保険料負担についての区の認識です。
 国保料は、家計に重い負担となり、生活を脅かす事態にまでなっています。それは、昨年の国保料通知にたいする問い合わせや苦情が1758件と2千件近くにのぼったことにも示されています。また、東京都が昨年11月に発表した「都民生活に関する世論調査」でも「暮らし向きが苦しくなった理由」として、都民が第1にあげたのは「税や保険料の支払いが増えた」というものでした。こうしたことから、公的な負担のなかでも、国保料の負担増はとりわけ異常ともいえるものだと思います。

Q1.第1に指摘したいことは、国保料のうち、収入と無関係に世帯人数、いわば頭割りで一律に負担が求められる「均等割」が、収入が減っても上がらなくても、支払い能力とは無関係にほぼ毎年あがり続けてきたことです。2009年度(平成21年度)から2018年度(平成30年度)の10年間で、均等割り額、負担増額、増額比率がどのように上がったのか、示してください。

Q2.第2は、その結果、収入に占める国保料負担が重い比率となっていることです。これまでも、予算特別委員会や決算特別委員会で資料を出していただいていますが、あらためて確認したいと思います。年収400万円40代夫婦と子ども2人の4人世帯の場合、国保料は2010年度(平成22年度)から2018年度(平成30年度)の9年間でどれだけ上がり、収入に占める保険料負担率はどのように上がったのか、お答えください。

 私の計算では、年額約24万7千円だったものが、9年間で約49万9千円へと、2倍以上増加し、収入に占める比率は約6%程度から12.5%に上がっています。国保料だけでも、収入額の1割以上、住民税、所得税、年金保険料をあわせれば収入に占める負担は、3割近くに上っています。年金生活者も同様です。区の資料では、年金180万円の75歳未満の一人暮らし高齢者の場合、国保料約5万1千円、介護保険料約7万9千円、住民税、所得税をあわせれば、約15万2千円の負担です。
 まさに都の調査結果にもあるように、税と保険料が暮らしを苦しめているという実態ではないでしょうか。

Q3.第3に指摘したいことは、年収と国保料、国民年金保険料、住民税、所得税の負担総額の関係です。40代夫婦と子ども一人の3人世帯、同じく40代夫婦と子ども2人の4人世帯の場合、収入に対する負担比率は、収入600万円の世帯よりも300万円の世帯の方が負担割合は高いのではありませんか。区としての計算をお示しください。
 
 国保料の実態に関して第4に指摘したいことは、代表質問でわが党の山田議員も指摘したように、協会けんぽの保険料よりも2倍も高い、収入が低くても保険料が高いという構造になっていることです。

Q4.私は、これまでも、国保料負担の実態について質問してきましたが、区長はこうした国保料負担の実態をどう認識していますか、重い負担だという認識はないのですか。どうやって国保料を払えというのですか。「暮らしの安全、安心」というなら、雪だるま式に負担が増え、家計を圧迫する事態の解決こそ区長の責務ではありませんか。見解を問います。

Q5.杉並・田中区長も構成員である特別区長会は、昨年7月に来年度予算にむけた国への要望書を提出しました。その要望書では、国保問題に関し、何と書かれていたか。「低所得者が多いため保険料負担能力が低いという構造的問題を抱えている」と書かれています。「負担能力が低い」、これは区長としても、区としても同じ認識だと思いますが、念のためご答弁ください。

 次に、区の対応について、とりわけ、一般会計からの法定外繰入の段階的廃止の問題についてうかがいます。

Q6.来年度の国保料額については、まだ議案として提案されていませんが、昨年11月の東京都国民健康保険運営協議会では、仮数字がすでに示されています。もちろん、仮の数字であり、かつ都いいなりの態度をとるべきではありませんが、都が示した都の1人当たりの平均保険料と、杉並区の1人当たり平均保険料について、今年度の確定数値と仮係数に基づく来年度の数値およびそれぞれの値上率はどうなったのか、明らかにしてください。

 法定外繰入を前提にしていないので、国保料は来年度も上がる推計になっていると思います。法定外繰入の段階的削減、廃止による保険料引き上げは、これまで紹介した実態から見ても到底認められません。

Q7.国、都が押し付けていると言っても、区はなぜ一般会計繰入金を削減、廃止しようとしているのですか。廃止すれば、区は支出を削減できますが、その一方被保険者に負担をさらにかぶせることになるではありませんか。それは区長会の要望書の見解にも反する行為ではありませんか。「被保険者は保険料負担が困難」と説明し、国の財政支援を求めながら、自分たちは支払いが大変な被保険者にさらに負担を求めるというのは矛盾しています。こんな話は、通用しないではありませんか。お答えください。

Q8.そもそも国保会計の赤字解消などということが強調されていますが、赤字なるものの大きな要因は、国の支出金が大幅に減額し、都がいわゆるたらずまい補助を変更したことにあります。
1999年度(平成11年度)と2017年度(平成29年度)で、国、都の支出金の歳入に占める比率はどう変化したのか、示してください。

 日本共産党は、かつて全国知事会が、国が国保事業に1兆円の支出を行えば、協会けんぽ並みに引き下げられると提案したことに注目し、その実施を求めています。被保険者にのみ犠牲を強いるのではなく、国、東京都に負担を求めるべきです。

Q9.区の責任も重大です。国、都から法定外繰入の廃止方針が出ていますが、これは法令上の定めはなく、拘束されるものではありません。厚労省は「一般会計からの繰入は自治体の判断でできる」と答弁しています。しかも、法定外繰入が年々増額し、区の財政運営を困難にしているという事態ではありません。諸要因はあるでしょうが、法定外繰入はこの3年間減額され、さらに都が示した来年度の納付金は減額が提示されているのでありませんか。今年度の都への納付金額と、仮係数に基づく来年度の納付金額の総額はいくらか、お答えください。

 国保料の家計に占める負担の実態、さらに被保険者の実態を直視すれば、これ以上の国保料の引き上げは行わない、逆に引き下げの努力をする。これが区のとるべき基本方向だと思います。そうでないというなら、「暮らしの安心」などと言う資格はありません。

Q10.昨年の私の予算特別委員会での質問に対し、法定外繰入を6年間で廃止することは「むずかしいと考えている」との答弁がありました。繰入を廃止せず、2003年度(平成15年度)以来続けてきた保険料の連続値上げは、今年度で終止符をうち、さらに値下げに踏み出すことを求めます。いかがですか。
                                
●次に荻窪北児童館廃止後の対応について質問します。
 
 昨年3月、あんさんぶる荻窪の廃止とともに、荻窪北児童館も廃止され、児童館を利用していた児童は、いったん杉並保健所4階のおぎきた子どもプレイスに移行しましたが、この4月からは、改築された桃井第二小学校での放課後等居場所事業に移行することになっています。
 区は、児童館の機能は継承し、拡充するといってきましたが、果たしてそう言えるのか、具体的に質していきたいと思います。

(1)施設の機能について

Q1.まず施設の設備について確認します。荻窪北児童館には、広くて高い体育室、図書室、図工室、音楽室・スタジオなどがあり、区内の児童館のなかでも、設備、機能という面では、最も先進的な施設でした。区の「児童館あんない」では、「荻窪北児童館の一番の人気は広くて天井の高い体育室」と紹介され、バトミントンだけでなく、バスケットボールも楽しむことができました。しかし、桃二小の設計図では、放課後等居場所事業として記載されているのは、175.6㎡の多目的室とトイレしかありません。固有施設としては、他に何があるのか確認します。設計図のままだとすると、到底、継承とはいえず、児童館事業ともいえないのではありませんか。いかがですか。

Q2.厚生労働省は児童館の設備について、平成2年に児童館の設置運営要綱を定め、昨年改定された「児童館ガイドライン」では、「児童館活動を実施するために、以下の設備・備品を備えること」として、集会室、遊戯室、図書室、相談室、創作活動室などを示しています。また、拠点性の確保を強調し、児童館が、児童にとっても拠点・館となって自由に健やかに遊び、生活できることを重視しています。桃二小の居場所事業は、この要綱やガイドラインを遵守していないと言わざるをえませんが、いかがですか。

Q3.桃二小の放課後等居場所事業について、体育館や図書室などを使用するとしても、それは時間的、スペース的制約があり、児童館のように自由に使えないのではありませんか。
 また、荻窪北児童館には、歌や楽器の演奏ができる専用スタジオがありました。しかし居場所事業ではどうするのですか。
 児童館にくらべ児童に不自由を強いる結果になるのではありませんか。それぞれお答え下さい。

Q4、さらに中高生にとっても大後退です。荻窪北児童館には専用スタジオがあり、演奏を楽しむことができました。これまでの議会答弁では、荻窪北児童館を利用していた中高生は、ゆう杉並を利用してもらうとのことでした。1月末の成田児童館の説明会でも、中高生はゆう杉並へという説明でした。これは各施設での中高生事業は終了するということですね。中高生事業の大後退ではありませんか。お答えください。

(2)運用について
 次に運用について伺います。

Q5.以前の「児童館あんない」によると、荻窪北児童館では、「家から持ってきたお菓子をみんなでおしゃべりしながら食べます」と書かれていました。放課後等居場所事業への参加は、原則自宅に戻らず学校から直接参加となっていましたが、おやつはどうするのですか。
 放課後等居場所事業は、独立した施設ではなく小学校の間借りのような施設であるために、これまでの荻窪北児童館の利用方法とはことなり、新たな制約等が生まれるのではありませんか。例えば、登録制度、父母の対応、ビブスの着用、他校生のあつかい、日曜日利用の可否など、従前との違いを具体的にすべて示してください。
 
Q6、荻窪北児童館の場合、日曜も開館し親子で遊べたことが、施設とともに大変魅力的で喜ばれていました。しかし、放課後等居場所事業のマニュアルでは、居場所事業を実施しない日として日曜、祝日などをあげています。機能継承というなら、日曜開館も継承しなければなりませんが、いかがですか。できないならその理由は何ですか。お答えください。

Q7、さらに事前の名簿登録とともに、違和感を感じるのは、ビブス、ゼッケン着用の義務付けです。和泉学園などでは実施され、他の居場所事業の説明会の資料でもビブス着用が義務付けられています。桃二小の居場所事業でもビブス着用が義務付けられるのですか。居場所事業の児童だけがビブスの着用が義務付けされるのは、自由が制約され、肩身の狭い思いをさせる結果を招くのではないでしょうか。どのように検討されたのですか。

(3)基本問題、対応について
 設備、運用について質問してきましたが、桃二小での居場所事業は、荻窪北児童館の機能継承とはいえず、児童館事業とは言えないものです。

Q8、児童館事業は、児童福祉法にもとづく事業で、先程も紹介したように、施設については要綱で定められ、目的や理念、具体的な事業内容については、児童館ガイドラインで定められています。改定されたガイドラインでは、冒頭に改訂の趣旨として、児童福祉法とともに、子どもの権利条約をかかげ、施設の基本特性として、「児童館は子どもがその置かれている環境や状況に関わりなく、自由に来館して過ごすことのできる児童福祉施設である」「子どもが自らの意思でひとりでも利用することができる」としています。桃二小の居場所事業はこれに沿ってないのではありませんか。見解をうかがいます。

Q9.児童館事業は区の責務であり、児童館で遊び成長が保障されることは、子どもの権利として擁護されなければなりません。
 桃二小の居場所事業が児童館事業といえない状況のもとで、私は、荻窪駅南側の地域に、真の児童館の整備、中高生の場の整備を提案するものですが、どうですか。

Q10.最後に、荻窪北児童館廃止に関連して、2点質問します。
 あんさんぶる荻窪の廃止によって、区民が利用できる会議室がなくなり、大変不便を強いられています。代替施設を求めますが、いかがですか。

Q11.旧あんさんぶる荻窪には、外階段、屋上庭園があり、園庭のない保育施設の子どもたちにとって、大切なお散歩コースとなっていました。あんさんぶる荻窪が廃止され、子どもたちの散歩は、街なかだけではなく、駅ビル内までも使用されているとのことです。地域の方々からは、旧あんさんぶる荻窪の屋上を、子どもたちや地域の方々の憩いの場として開放してほしいとの要望が根強くあがっています。国に、開放を求めるべきですが、区の見解を求め、質問を終わります。