2025年第1回定例会一般質問「高齢者への支援について」
日本共産党杉並区議団を代表して、高齢者への支援について質問します。
初めに、住宅問題についてです。
日本共産党区議団が取り組んでいるくらし・区政への要望アンケート――以下アンケートと言います――には、物価高騰の下で暮らしの厳しさを訴える声が多数寄せられました。その中でも私が強く胸を痛めたのは、高齢者の住宅問題です。アンケートに寄せられた2人の声を紹介します。70代独り暮らしの年金生活の方、年金生活で一番困っていることは賃貸マンション、1Kの家賃です、とても負担です、家賃が高く生活を圧迫しています。80代のパート職員という方は、僅かな貯金が毎月少なくなっている、何年か先は家賃が払えなくなりホームレスになる不安があると書いていました。私はこうした記載を目にし、実態を確認したいと思い、区内に住む82歳の女性に話を聞きました。その方は、収入は国民年金月額約6万円ですが、アパートの家賃は月7万1,000円で、家賃が年金受給額を超えているのです。そこに介護保険料、後期高齢者医療保険料などの負担、水光熱費、生活費などの支出が加わり、預金を毎月15万円取り崩しているとのことです。この先、いつまで持ちこたえられるのかと不安を訴えていました。こうした事例は一部のレアなケースではなく、多くの高齢者が直面している事態だと思います。
Q そこで、私は改めて区民がどのくらいの家賃負担をしているのか、国の令和5年度の住宅・土地統計調査を調べてみました。私が分析したところでは、杉並区民で木造、非木造含め共同住宅入居者の家賃は、7万円以上の世帯が63%で約10万世帯、10万円以上の世帯は約4万5,000世帯で28%でした。国民年金の平均月額は5万8,000円と言われていますが、多くの人が年金を超える家賃負担を強いられているというのが実態ではないでしょうか。
区は、私が紹介した事例をどのように認識していますか。こうした深刻な事態に対し、手だてを取る努力が求められていると思いますが、どのように考えていますか。
次に、基本的対応についてお聞きします。
Q 国は住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律、略称住宅セーフティーネット法を定め、高齢者を要配慮者の対象にしています。法の第6条、市町村賃貸住宅供給促進計画では、区域内における住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給目標を定めることを求めています。しかし、杉並区住宅マスタープランでは、供給目標が掲げられていません。深刻な事態を打開する上で、今からでも供給目標を持って取り組むことを求めますが、いかがですか。
さらに、住生活基本法に基づいた住生活基本計画では、最低居住面積水準を定めています。最低居住面積水準とは、健康で文化的な住生活を送るために必要不可欠な住宅の面積で、単身者の場合は25平米、2人世帯の場合は30平米です。令和5年住宅・土地統計調査の住宅及び世帯に関する基本集計の地域区分杉並では、高齢世帯の借家の世帯数1万8,740戸のうち、最低居住面積水準未満の借家世帯は6,680戸、35%にも及んでいます。
Q 高齢借家世帯における最低居住面積水準未満の世帯割合が3割を超えている状況について、区の問題意識を伺うとともに、健康で文化的な住生活を送るためにも早期の改善が求められると考えますが、区の認識はいかがですか。
次に、具体的な課題について伺っていきます。
Q 国は、住宅確保要配慮者への対策として、2017年、家賃低廉化補助制度を創設しました。私はそのことに着目し、一般質問などで実施を求めてきました。2022年の第3回定例会の一般質問では、区は、様々な困難を理由に、その時点では実績はないと答弁しました。その後、岸本区政の下で、まだ第一歩ですが、これまでに16件の専用住宅の登録がされ、助成が始まっていることは重要な前進であり、区の努力に敬意を表したいと思います。
この事業を有効に活用すべきであり、今後、目標を持って取り組むよう求めますが、どのようにお考えですか。
Q アンケートには、高齢であるがゆえの困難を訴える声も少なからず寄せられました。紹介します。70代、年金生活の独り暮らしの方「住宅の引越しが迫っているが、あてがない、高齢者の独り暮らしのため住宅費の高い所はとても住めない」。60代の方、「アパートの老朽化を理由として立ち退きを迫られているが、高齢者が入れるアパートがない、その上、リストラで失業が確定している、探そうにも保証人を見つけられない」という声です。
こうした事例に対し、区が居住支援協議会を核として高齢者等アパートあっせんなどの事業に取り組んでいることは承知していますが、今後、一層の支援拡充が求められていると思います。取組の現状と、今後どのように強化を図っていくのかお答えください。
Q さらに、アンケートで気にかかった記載がありました。配偶者、特に夫が亡くなった後の住宅問題です。2人の声を紹介します。1人は、夫が亡くなり年金が半分以下になったが、家賃はそのままで年金額より家賃が高いが年齢が高いため引越しをすることもできない。もう一人は、夫が突然死して独り暮らしになり、高齢なのでこれからのことがとても不安です、高齢者の独り住まいの人が安心して住める住宅の支援を希望しますという声です。
この2人の記述を見て、こうしたことは起こり得る問題であり、直面した方は大変な思いをされていることだと胸が痛みました。何らかの支援が必要と思いますが、区の認識を伺います。
住宅問題に関し、アンケートへの記載で家賃助成とともに要望の強かったものは、都営・区営住宅への入居であり、公営住宅の整備でした。これは高齢者だけの課題ではありませんが、アンケートでは多くの高齢者からの要望が目立ちました。80代独り暮らし「自営業の方は、年を取っているので住む部屋がないので都営住宅に入りたい、家賃のために働いているみたい」。60代独り暮らし、嘱託の方は「住宅の取り壊しが今後あるので連日不安です、年金と預金だけでは生活は困難です、今後家賃を支払い続けられるか不安です、希望は高齢者への住宅」と記載していました。
また、80代夫婦世帯の方は、困っていることとして「家賃の負担」、希望することとして「都営住宅の増設」と書いていました。70代の方は、「公営住宅に入居したいのですが、家賃が少ないところで生活できると安心ですが入居できず、それが一番の不安」と書いていました。このように公営住宅の整備を求める声は多数に上っています。都営・区営住宅については我が党の代表質問で触れましたので、高齢者住宅みどりの里に絞って質問します。
Q 高齢世帯が増加する中、みどりの里は高齢者専用の公営住宅として大事な役割を担っており、要配慮者対策としても重要です。ところが、私が調べた限りでは、みどりの里の提供戸数は、高齢者人口が増加しているにもかかわらず、増えないどころか減少しているのです。2003年と2023年の老年人口、みどりの里の戸数の推移を伺います。
Q みどりの里の増設を強く求めます。墨田区では、1棟丸ごとでなく個室を借り上げて高齢者に提供しています。大規模共同住宅の確保が困難であれば、こうした事例も選択肢の一つとして検討すべきではありませんか。高齢者の人口増に対応した戸数増加に向け、目標を明確にし、努力することを求めますが、いかがですか。
住まいは生活の基本であり、憲法25条が保障する生存権の土台とも言うべきものです。住まいが権利であることは、世界人権宣言や日本政府も批准している国際人権規約も認めていますが、日本は賃貸住宅への支援が乏しく、国による家賃補助制度はありません。アメリカやイギリス、フランスをはじめOECD諸国の大半が家賃補助制度を整備していることと比べ、立ち遅れた国になっています。岸本区長が住まいは権利であるという理念の下、新年度予算に家賃助成制度の実施を盛り込んだことは重要な前進です。今後、低年金・低所得の高齢者も対象とするなど、制度の拡充を図っていくことを求めるものです。
次に、独り暮らし高齢者対策について質問します。
アンケートへの高齢者の回答で、住宅問題とともに私が心を痛めたことは、独り暮らし高齢者からの切実な訴え、叫びでした。3人の方の声を紹介します。1人目は、足腰が弱くなり買物が大変、しかし、自分の目で買物がしたい。2人目は、月に1度か2度、訪問での話し相手が欲しい。3人目は、体の具合が悪くなった時に頼れる人がいない、困り事が起きたとき相談できる人が欲しいという声です。
老人福祉法第2条では、基本理念として「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする。」と明記されています。
Q 生きがいが持てる安らかな生活を保障されるべき高齢者が、買物したいが買物ができない、話し相手がいない、病気になっても頼れる人がいない、相談できる人が欲しい、独り暮らし高齢者がこうした孤独で悲しい状態に置かれていることを、区はどう受け止めますか。老人福祉法の理念からも解決の手、支援の手を差し伸べることが杉並区の責務であり課題だと思いますが、どのように認識し、対応していくのですか。
杉並区の統計を見ても、65歳以上の独り暮らし世帯は、2012年の1万8,735世帯から2024年4万3,753世帯と2.34倍に増えています。独り暮らし高齢者への対応が重要な社会的課題になっているのではないでしょうか。
内閣府の高齢者白書では、後期高齢者が増大し、その中で独り暮らし高齢者も増大し、近所付き合いがほとんどない人は18.1%、親しい友人、仲間を持っていない人は24.7%という調査結果を紹介しています。また、港区の独り暮らし高齢者の調査では、正月三が日を1人で過ごしたと回答した高齢者は33.4%、親しい友人がいないと回答した高齢者が16.5%という結果を発表しています。
Q 杉並区の高齢者実態調査でも、寝込んだときに看病する人がいない、何かあったときに相談相手がいない、日中1人になることがよくあると回答した人が相当数あり、杉並区においても高齢者の孤独な実態が浮き彫りになったのではありませんか。どう認識していますか。
独り暮らし高齢者の実態を調査してきた港区政策創造研究所の報告では、コミュニケーションの欠如、人間関係の悪化は精神面に孤立感をもたらし、高齢者の生活機能の不活性化、ひいては高齢期の身体機能の低下や地域の中での孤立化の進行に影響するとして、社会参加の促進が今後重要になるだろうと指摘しています。重要な分析だと思います。
Q すべての高齢者が孤立から抜け出し、社会参加によって生きがいを持った人生を送れるよう、杉並区として支援を強化することを求めます。この問題の重要性の認識と基本姿勢についてお答えください。
また、独り暮らし高齢者対策を強化する前提として、実態把握と分析が重要だと思います。港区では、独り暮らし高齢者の生活実態を1995年から2012年まで3回にわたって調査し、その分析を買物支援事業の立案に結びつけています。
Q 区長から、来年度実施する高齢者実態調査について、令和4年度に行った調査の対象や規模等を抜本的に見直し、より実効性を高めた内容にすると表明がありましたが、その際に、独り暮らし高齢者対策に光を当てる調査も行うことを提案しますが、いかがですか。
次に、アンケートに寄せられた声などに基づき、具体的対策について伺います。
Q 「定期的に見回りをしてほしい」「月に1度か2度、訪問での話し相手が欲しい」こうした訪問や声かけ、話し相手を求める要望が少なからず寄せられました。区は、安心おたっしゃ訪問や安心コール、たすけあいネットワーク(地域の目)などに取り組み努力していますが、あらためてこうした声が現実にある状況に立って取組の強化、拡充を求めますが、いかがですか。
困り事が起きたとき相談できる人が欲しいという声もありました。現在の取組と今後の対策についてお答えください。
Q 関連して、「高齢者のしおり」では利用できる施設やサービスなどを紹介していますが、困ったこと、要望したいこと、相談したいことなどの事項に沿って回答が導き出せるような編集も考えてみてはどうかと思います。今後の発行に当たってぜひ検討してほしいと思いますが、いかがですか。
Q 買物への支援の要望も寄せられました。80代の方は、「足腰が弱くなったが自分で商品を見て買物したい」と記載していました。もっともな願いだと思います。また、買物をしてほしいという要望もありました。区では、社会福祉協議会が行っているささえあいサービスで買物の支援を実施していますが、こうした事業を知らない高齢者は多いのではないでしょうか。さらなるサービス向上のために、事業の周知強化や社会福祉協議会との情報連携、共有を求めますが、区の認識を伺います。
Q アンケートで、暮らしで困っていることを具体的にお書きくださいという問いに、たった一言、「寂しい」と書いてきた人がいました。か細い字で書かれた文字を目にし、切なさが込み上げてきました。私は、予算特別委員会などで、独り暮らし高齢者を誘っての食事会の取組を繰返し求めてきました。現在、区内では高齢者の食事会はどのように実施されていますか。また、食事会を行っている団体への支援や、食事会を広げていくために区としてどのように取り組んでいるのかお答え
ください。
最後に、施設やサービスの利用について伺います。
Q 港区での調査では、活動参加や施設を利用しない人にその理由を聞いています。回答では、体調が悪い、時間がないとともに、一緒に参加する仲間や友人がいない、それらの活動を知らなかったという理由が挙げられていました。活動への参加を促す取組の強化が求められていると思いますが、区の認識を伺いまして、私の質問を終わります。
【答弁】
〇区長
私からは、くすやま美紀議員からの御質問のうち、家賃低廉化補助についてお答えします。
これまでも申し上げているとおり、住まいは生活の基盤であることから、区内に居住する誰もが経済的な理由で住まいに困窮しないよう支援する考えであり、低額所得の住宅確保要配慮者については、区営住宅、セーフティーネット住宅、家賃助成などの様々な施策で総合的に支援していく考えです。セーフティーネット専用住宅への家賃低廉化補助は昨年度から開始したところで、専用住宅の数は16戸とまだまだ十分とは言えないと考えており、居住支援協議会とも連携して、不動産団体や賃貸住宅のオーナーに対し普及啓発を行うとともに、直接賃貸住宅のオーナーへ登録の働きかけを行うなど、積極的に登録促進に努めているところです。
目標についてですが、今年度は実行計画における登録目標の13戸に対して目標以上の登録がされたところであり、来年度はさらに20戸増やしていきたいと考えております。賃貸住宅の空室が増えている中では、とりわけセーフティーネット専用住宅の登録を促進するとともに、家賃低廉化補助を有効に活用することで、低額所得の住宅確保要配慮者の住まいの確保を支援し、誰もが安心して杉並に住み続けることができるようにしてまいりたいと考えております。
私からは以上です。残りの御質問につきましては、関係部長より御答弁申し上げます。
○都市整備部長
私からは、住宅施策に関連して所管事項にお答えをいたします。
まず、年金を超える家賃負担に関する事例に関しての御質問がございました。議員からお示しいただいたデータのほか、区で調べたところでは、高齢者のみの世帯において6万円以上の賃貸住宅にお住まいの世帯は58%いることを確認しております。一方で、高齢者世帯の特徴として、若年世帯と比較し、持ち家率が高いことや、一定の貯蓄があること等も考えられるため、これらのデータをもって一概に多くの高齢者が年金額を超える家賃を負担していると捉えることは難しい面もございます。しかし、所管においても、高齢者世帯から家賃負担を軽減するために低廉な家賃の住宅を探しているといった相談が多く寄せられており、区としても、そういった状況を真摯に受け止め、セーフティーネット住宅などの低廉な家賃の住宅の確保に努めてまいります。
次に、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給目標についての御質問がございました。
区内に賃貸住宅の空き室が増えている現時点において、供給目標を設定する考えはございませんが、高齢者が賃貸住宅に入居しやすくすることが重要だと考えており、引き続き、居住支援協議会と連携し、高齢者世帯の入居支援を実施してまいります。
次に、高齢者世帯における最低居住面積水準未満の世帯割合に関する御質問がございましたが、高齢者世帯をはじめとして、区内には一定数、最低居住面積水準未満の住宅にお住まいの方がいると認識しており、区としても、健康で文化的な住生活を営む上で、世帯人数に応じた適切な広さの住宅を確保できる環境が重要だと考えております。
一方で、都内は地価が高いため、居室が広くなると家賃が高額になるといった課題がありますが、高齢者世帯については、最低居住面積水準の改善のほか、居室のバリアフリー化などの必要性もあると認識をしております。面積水準については、住宅の建て替えに合わせて改善していくものと考えており、区としましても、一定規模を超える集合住宅の建設時に最低居住面積の基準を設けて事業者に協力を求めているところです。加えて、高齢者世帯が安心して生活するための居室の生活環境の改善に向け、区の相談窓口や住宅改修費の助成制度等も実施しておりますので、御活用いただければと考えております。
次に、居住支援協議会における取組についてでございますが、現在、高齢者世帯等の住宅確保要配慮者に対して、賃貸住宅への円滑な入居支援等を行うため、高齢者等アパートあっせん事業及び高齢者等入居支援事業や、大家さん向けの居住支援セミナー等を実施しております。
住宅確保要配慮者は、住宅に困っているだけでなく複合的な課題を抱えている方も多いことから、入居時から退去後までの一貫した支援が重要であると認識しております。また、高齢者世帯については、居室内での事故などの不安から大家さんの拒否感が強いとのデータもあり、残置物の処理等に関するモデル契約条項の利用など、大家さんの不安を解消していくための取組が必要だと考えております。
支援の拡充に向けては、区内の住まいに関する様々なデータを提供している事業者や専門的な知識を有する方々に御協力をいただき、それぞれの多岐にわたるサービスを連携させることで、入居時から退去後までの一貫した居住支援につなげていきたいと考えており、様々な主体による情報交換の場を設け、総合的な居住支援の仕組みづくりについて検討を進めているところです。
次に、配偶者がいなくなった後の住宅の問題に関する御質問ですが、所管においても議員お示しのケースと同様の相談を受けており、賃貸住宅への円滑な入居等の支援の必要性を認識しているところです。相談者に対しては、これまでも居住支援協議会と連携し、アパートの物件情報の提供のほか、葬儀の実施、残家財の処分、見守りサービスなどを御案内し、サービスの活用を進めてまいりました。それらに加え、このたび家賃負担の軽減や住環境改善のための転居費用助成制度を創設したところです。また、令和7年4月からは、国の制度である住居確保給付金において、配偶者との死別により世帯の年金収入が減少した高齢者などを含め、収入が著しく減少し、家計改善のため、より低廉な家賃の住宅に転居を必要とする方に対する転居費用の給付も実施されます。住まいにお困りの方に対して新たな支援が始まるところであり、区としても個々のケースに応じた必要な支援につなげていきたいと考えておりますので、ぜひ区に御相談いただければと考えております。
私からの最後でございます、みどりの里に関する御質問にお答えいたします。
65歳以上の高齢者人口とみどりの里の戸数についてでございますが、2003年の高齢者人口は8万9,482人、みどりの里の戸数は374戸、対しまして、2023年の高齢者人口は12万191人、戸数は353戸となっております。みどりの里の戸数は、2016年の天沼みどりの里の契約満了に伴う廃止により減少したものでございます。
みどりの里については、現状、増設は予定しておりませんが、今後、借り上げ期間の終了を迎えるみどりの里については、建物所有者と協議の上、再借り上げを行い、みどりの里の維持に努めてまいります。
また、高齢者人口の増加に対応した戸数増加に向け、目標を明確にし、努力を求めるとの御質問がございました。先ほども申し上げましたが、賃貸住宅の空き室が増えている中で、みどりの里の供給戸数の目標を設定する、そうした考えはございませんけれども、高齢者に対する賃貸住宅への円滑な入居支援がやはり重要だと考えております。みどりの里は、緊急通報装置や生活協力員などの見守り機能のある公的賃貸住宅のため、民間の賃貸住宅の個室を借り上げて提供することは難しいと考えております。しかしながら、高齢者が安心して入居できる住宅を確保するため、居住支援協議会と連携して実施している高齢者等アパートあっせん事業や、入居支援事業等をより活用してもらえるよう普及啓発に取り組むなど、大家さんの不安解消につながる取組を進め、高齢者の円滑な入居支援を実施してまいる考えです。
私からは以上です。
〇高齢者担当部長
私から、独り暮らし高齢者対策に関する一連の御質問にお答えします。
昨年策定した高齢者施策推進計画では、議員御指摘のように、令和4年度に実施した高齢者実態調査の結果や、今後も独り暮らし高齢者の増加が見込まれることなどを踏まえ、これらの高齢者が孤立せず、希望を持って安心して生活することができるよう、地域の支援体制や見守り、支え合いの仕組みを強化する方向性をお示ししたところです。現在、この計画に基づき各種の事業を実施するとともに、その利用促進に向けた周知に努めておりますが、さらなる高齢化の進展を見据えた事業の在り方を改めて検討する必要があると考えております。そのため、令和7年度に予定する実態調査では、生活上の困難さ、困り事を抱えがちな独り暮らしや高齢者のみ世帯等の高齢者をそれぞれ抽出して、世帯状況や健康状態などに応じた困り事やニーズ等を明らかにし、今後の支援の充実につなげていく考えです。
次に、高齢者の社会参加についてのお尋ねですが、区といたしましても、多くの元気な高齢者が豊かな知識、経験を生かしながら、生きがいを持って主体的に活躍することができるよう、多様な社会参加の機会と場を充実することは、独り暮らし高齢者等の孤立防止の観点を含め大変重要なことと考えております。そのため、今後、高齢者にとって、いわゆる第3の居場所となるコミュニティふらっと及びゆうゆう館の双方が、より多くの高齢者に利用しやすい施設となるよう取り組んだり、高齢者が区立体育施設を利用する際の減額制度を拡充したりするほか、本年4月から見直す長寿応援ポイント事業につきましても、全ての活動の対象年齢を60歳以上に統一するとともに、個人でも参加しやすい事業の充実を図ることとしたところです。
こうした社会参加の仕組みづくりに加え、議員御指摘のとおり、その周知と個人参加の後押しをすることにも、より一層力を入れる必要性を感じておりますので、各種の広報媒体による情報発信のほか、ケア24などの相談窓口や、いきいきクラブなどの地域団体と連携、協力しながら、適宜取り組んでまいりたいと存じます。
次に、定期的な見回りや、月に1度か2度の訪問による話し相手を求める要望についてですが、そうした御要望に対しては、地域住民があんしん協力員として見守り、声かけを行うたすけあいネットワーク(地域の目)またはコールセンターから電話により安否確認や相談に対応する高齢者安心コールなどの事業が有効であると考えております。これらの事業は、独り暮らしや高齢者のみ世帯の高齢者を対象としておりますが、現在、多くの方々に利用していただいている状況ではありませんので、令和7年度に予定する実態調査などを通して、ニーズや事業内容の改善すべき点等を把握し、今後の利用促進を図ってまいります。
次に、困り事について、どこに相談すればよいか分からないというような場合、基本的には身近な地域における高齢者の総合相談窓口として、区内20か所に設置しておりますケア24を活用していただけるよう、引き続き周知に力を入れていくとともに、相談支援体制の充実を図ってまいりたいと存じます。
なお、議員から御指摘のあった「高齢者のしおり」の編集方法につきましては、次回の発行に当たっての参考とさせていただきます。
次に、杉並区社会福祉協議会が行っているささえあいサービスについてのお尋ねですが、議員の御指摘を社会福祉協議会とも共有し、現在の周知方法をどのように改善していくと、より効果的に情報が行き届き、利用につなげることができるかなど、共に考え、今後の取組に生かしてまいりたいと存じます。
次に、高齢者が参加できる食事会につきましては、現在、区内のこども食堂やゆうゆう館など25か所程度におきまして、そのような取組が行われていると承知しております。こうした中で、令和7年度には、区としてこども食堂の立ち上げや運営費の助成を新たに開始する考えでありますし、ゆうゆう館における食事提供事業の実施状況につきましても、引き続き全ゆうゆう館運営事業者と共有して、各館の今後の取組に生かしてまいりたいと考えております。
以上です。
